植毛に関して

植毛に関して

植毛とは文字通り毛を植え込む施術を意味します。自らの髪の毛と毛母細胞を採取して生やしたい場所に移植手術して定着させます。
一度手術に成功すれば、毛母細胞に問題が無い限り半永久的に髪の毛がある状態になります。
継続的な通院や薬の服用も必要のないのが植毛です。日本でも1930年代に笹川正夫、奥田庄二らにより植毛の研修が行われていたそうです。

日本ではまだそれほど浸透していないものですが、意外と歴史は古く1800年代から研究が行われていて、欧米では30年ほど前から自毛植毛が一般的に行われてきました。

近年AGA(男性型脱毛症)が認知されるようになり、昔からの男性の悩みの一つである薄毛が改善できるものになりつつあります。

AGAの治療は医薬品を使ったものが主流です。治療ではありませんが、カツラも古くからある薄毛の対処法の一つです。

薄毛の改善で植毛が一般化しない理由に価格の高さがあります。植毛は手術や注射が必要になり、医師免許を持っている人しか施術することができません。特定の技術が必要でほぼ人の手で行われるため、とても手間がかかります。

植毛の施術には大きく分けると2種類あります。
FUT(Follicular Unit Transplantation)法とFUE(Follicular Unit Extraction)法です。
両方にあるFUはフォリキュラーユニットと呼ばれる髪の毛が1~複数生えている毛包を指します。FUTは塊でFUを採取して後から切り分けて移植する方法です。大してFUEは直接小さなFUを採取し患部に移植する方法です。

クリニックごとにこれらの施術の仕方や移植する場所、髪の毛の本数により、植毛の費用に差が出ます。

その差はおよそ20万円台~300万円まで差があります。
植毛は美容目的の場合が多く、整形手術と同じ自由診療ということもあり、保険の適応されない全額負担となります。
例外として事故や火傷で頭皮にダメージを負い毛母細胞が無いなどの医薬品が使えない場合に植毛が使われます。その際は保険が適用になります。

およそ前頭部一帯の施術だと150~200万円、前頭部から後頭部にかけて広範囲の場合は250~300万円が相場です。
M字の一部だけの植毛であれば20~50万円となります。

植毛の施術には機材が使用されますが、ほとんどの作業は人の手によって行われます。多くの植毛が必要な場合には人数も5人以上必要となります。
髪の毛を毛根ごと小さく切り分ける作業はとても高度な技術が必要となり、あまり経験の無い場合、傷がつくなど採取した株が使用できない場合や、移植した患部に定着しにくくなります。
そのため価格に差があるのです。

それ以外にも血液検査や術後の抗生物質や痛み止めなど、手術費以外にもお金がかかります。

自毛植毛の場合、採取した毛母細胞を患部に移植することになるので、採取された跡には毛母細胞が無くなるため髪の毛は生えてきません。現状の頭髪の総量は変わらないという訳です。

手術をして時間が経てば大抵の場合、施術した部分や傷あとは目立たなくなりますが、施術の方法によっては段差ができたり毛先の方向が違うなどの見た目の問題が現れることもあります。

長い時間をかけず一回の治療で薄毛を終わりにしたい方や、お金と時間に余裕がある方は植毛はとても効果がある施術だと思います。

しかし治療から普段の生活に戻るまで毛の生え変わりが気になる方や、施術前に毛を剃るなどに抵抗のある方は他の治療法をおススメします。

リスクが少なく手軽に費用も抑え、薄毛を改善することが出来るのは、AGA治療薬を使った方法です。
植毛は薄毛治療の最終手段と言われています。
薄毛治療の第一選択としてあるAGA治療薬で試してみてからでも遅くはありません。